性の多様性について、理解の輪を職場に広げる ~LGBTについて知るセミナーをオムロン京都事業所で開催~

LGBTとは?世界や日本における取り組み

2014年9月、国際オリンピック委員会(IOC)が開催都市との契約に差別禁止条項を追加することを決定。今後は「性的指向」も含め、差別のある都市ではオリンピックの開催ができなくなりました。
性の多様性を尊重する機運が高まる中、現在、世界の20か国を超える国や地域で同性婚が認められ、日本でも、2015年に東京都渋谷区の同性カップルに対し、初めて「結婚に相当する関係」と認め、証明書を発行する条例が成立したと話題になったことは、記憶に新しいところです。

レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(生まれたときに法律的/社会的に割り当てられた性別とは異なる性のあり方を望む人)の頭文字を取った、多様な性のあり方を指す言葉の1つ、LGBT。

その対応は、先進国から遅れている日本ですが、日本の人口の約7.6%、13人に1人(※¹)がLGBTとも言われています。
この割合を自分の職場に置き換えてみると・・・、LGBTは身近な存在であり、隣りに座っている同僚がLGBTの可能性も否めません。

ここ数年日本でも認知が広まり、LGBTに関して何らかの取り組みをする企業は2年前の2014年と比べて、1.8倍、基本方針を示す企業も1.5倍に増加しています(※2)。

資料提供:特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ

資料提供:特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ

LGBTに関する理解を深め、職場での向き合い方を考える

オムロングループでは、一人ひとりの個性を発揮することで新たな価値創造、企業の力になると考え、ダイバーシティ推進の一環としてLGBTに対しての取り組みを始めています。

その活動の一つとして、LGBTへの理解と支援に取り組む特定非営利活動法人「 虹色ダイバーシティ」の代表・村木真紀氏を講師に迎え、LGBTの人たちが抱える問題や、悩み、さまざまな疑問について理解を深めるセミナーをオムロン京都事業所で開催しました。

特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ代表の村木真紀氏

特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ代表の村木真紀氏

村木氏は、LGBTの人は働くうえで多くの困難を抱えていると言います。求職に難しさを感じるだけでなく、職場で差別的言動をされ、解雇や昇進でも差別をされ、うつを発症される方も少なくないのが現状です。日ごろ何気ない会話の中で使っている言葉の中にも、当事者によっては差別的、侮辱的に感じるものもあり、職場では使わない方がいい言葉もあると学びました。

もし、身近な人からカミングアウトされたら、どうすればいいでしょうか。
多くの場合、当事者たちは信頼できる人を「選んで」カミングアウトしているので、まずは落ち着いて自然に受け止め、否定的な反応をせず、今まで通り同僚として接することが大事です。カミングアウトは「ここで働き続けたい」というサインです。働きやすい職場づくりについて一緒に話し合える体制づくりが重要です。

オムロングループのこれからの取り組み

セミナーを終えた社員からは、「普段何気なく使っている表現が、相手を傷つけてはいないか、今後自分・周囲の発言含めて気を付けたい 」など、まずは理解をし、尊重する姿勢をもちたいとう声が聞かれました。
自分の周りには"いない"と思っていたのが、"いるかもしれない"に認識が変わるだけでも、言動が変わってきます。

オムロンは、2015年 オムロングループルールの中で、「企業理念におけるOur Valuesのひとつである"人間性の尊重"に基づき、国籍・人種・皮膚の色・宗教・家系・民族・婚姻の有無・性別・性的指向・障がい・年齢を問わず、様々な価値観や考え方を有した多様な人財が個性や能力を発揮し活躍できる企業を目指しています。」と、明記しています。

オムロンのLGBTへの取り組みは始まったばかり。
これからも様々な価値観や考え方を有した多様な人財への理解を全社員で深め、一人ひとりが個性を発揮してイキイキと働ける職場づくりを進めていきます。

(※1)2015年 電通総研調べ
(※2)2016年 東洋経済 第11回 CSR調査

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