モバイルロボットで医療器具の殺菌を自動化

病院はあらゆるヘルスケアシステムを保有し、社会の安全を守り繁栄させるための、重要なリソースと知識の貯蔵庫と見なされています。適切で信頼性の高いインフラストラクチャ、テクノロジー、および消耗品は、病院のバックボーンです。

オーストラリアのロイヤル・ホーバート病院では、医療スタッフが大量の使用済み医療器具を殺菌室まで運んでおり、運搬中の新型コロナウイルス感染リスクが課題でした。オムロンは、殺菌装置などを開発するA.E.アサトン社と共同で、モバイルロボットと殺菌装置を連動させた医療器具の殺菌自動化ソリューションを開発。医療スタッフの感染リスクを低減させるとともに、重労働から開放し、働きやすい環境作りに貢献しています。

 

前例と実績のないプランを提案する

医療器具の殺菌は、病院における治療を成功させるために非常に重要な作業です。病院は病原体を扱わざるを得ない場所なので、患者の安全と健康を守るためにはすべての器具を殺菌することが不可欠なのです。しかし、その作業は危険を伴うものでした。医療器具をさまざまな場所から殺菌装置(加圧滅菌器)まで運ぶために、職員が台車を手で押して運んでおり、職員は感染の危険にさらされていました。また台車の重さが120キロを超えたり、金属枠の温度がおよそ摂氏130度に達したりすることもありました。

その状況を知ったオムロンのチームは、モバイルロボットを使って器具の移動を自動化するソリューションを検討し始めました。オムロンのモバイルロボットはさまざまな業界で活用されていましたが、殺菌装置と組み合わせた例はなく、初めての取り組みでした。

チームは、提携企業であり殺菌装置の大手メーカーであるA.E.アサトン社に連絡を取り、この件を話し合いました。そして数カ月後、ロイヤル・ホーバート病院理事会で、モバイルロボットによる医療器具の滅菌作業の自動化を提案しました。オムロンのエンジニアらは、モバイルロボットが自律移動できることや、狭い通路を通ったり、回りに人間がいても安全に作業できたりすることをデモンストレーションしました。理事会はその技術に深く感銘を受けプロジェクトにゴーサインを出しました。

 

不安を払拭してパートナー企業との連携を強化

プロジェクトを進めていく中でA.E.アサトン社は、様々な場所から医療器具を運ぶ複雑な動きをする作業において、ロボットと人の協調が本当に実現できるか不安に感じ、やはり台車を手押しする方法に戻した方が良いのではという意見が出たこともありました。しかし、オムロンオートメーションセンターのエンジニアによる手厚い技術サポートと、より具体的な技術の説明を通じて理解が深まり、その懸念を払拭することができました。

本プロジェクトに参画したA.E.アサトン社の電気技師であるウィリアム・ノーコット氏はオムロンと共に働いた経験について次のように語ってくれました。「最初の試作機から最終的に納品されたロボットに至るまで、オムロンチームが技術サポートとトレーニングの両方を提供してくれたおかげで、野心的な設計を実現することができました」

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「人と機械の協調」へ更なるチャレンジ

プロジェクトチームは今後も、ロイヤル・ホーバート病院と協力してシステムのさらなる改良に取り組み、最大250キロの荷重を持ち上げて移動できるオムロンLD-250モバイルロボットの活用を検討しています。

人間は過酷な労働や危険な作業、繰り返しが多い仕事には向いていません。そのような仕事をロボットに任せることができれば、人々は安全で、やりがいがある仕事に専念できます。オムロンは、人と機械が協調することで人の能力を最大限に発揮させる「人が活きるオートメ―ション」の実現にむけて、これからも社会により大きな価値を届けていきます。

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人の知見を機械に組み込む「Sensing & Control + Think」技術。

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