オムロンの「パーパス」を見つめて新たな社会的な価値を創造

―全世界5万人規模で展開されるTOGAが生み出す共感と共鳴―

近年、ミレニアル世代を中心に、「社会における組織や企業の存在意義や存在価値(パーパス)」への注目が高まっています。持続可能なビジネスを目指す企業に求められるのは、未来を見つめるだけでなく、社員の一人一人が何のために働くのか、その意義を考え、実践することです。オムロンは、創業者の立石一真が制定した「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」という社憲の精神を受け継ぎ、事業を通じて社会的課題を解決することを存在意義としています。その企業の理念を全社員が実践し、社会に対してどのように働きかけ、貢献できたのかという物語をグローバルで共有することで、共感と共鳴の輪を拡大する「TOGA(The OMRON Global Awards)」を行っています。毎年、世界各地で数千件ものチャレンジを生み出している、その取り組みをご紹介します。

事業を通じた社会貢献につながる企業と自分の「パーパス」

創業精神や企業文化に根ざし、サステナブルな経営を行ううえで注目されている「パーパス」という概念が今注目を集めています。直訳すれば「目的」となるパーパスとは、企業の存在理由や存在意義、つまり「何のためにこの会社があり、何のために事業をするのか?」を意味しています。

企業理念を軸とし、事業を通じた社会の発展への貢献を目指すオムロンでは、以前より社会的課題の解決を意識した技術開発や事業展開を行ってきました。その全社的なパーパスを、社員が自らの立場で昇華し、「自分は何のために働くのか?」を日々の業務の中で意識して社会に働きかけ、貢献することで企業理念を実践していく。そして、こうした一人ひとりの物語をグローバルで共有し、オムロンの強みの源泉である企業理念の実践を全社員に促す取り組みとして、毎年開催されているものがTOGAです。TOGAは、2012年に企業理念の実践活動としてスタートし、1年をかけて取り組むプログラムとなっています。そして1年の実践の成果を発表するグローバル大会は、例年、創業記念日である510日に行われてきましたが、今年は世界的な新型コロナウイルスの流行により、12月にオンラインでの開催となりました。

年ごとに質・量ともに高まるTOGAへのエントリー

第1回目にあたる2012年度には延べ約2万人だった参加者は、第8回目には52,780名にまで増え、エントリーされたテーマも6,405件に上りました(*1)。累計の参加人数は30万人を超え、従業員一人あたりのエントリー数も、年々増加しています。

TOGAは、そのプロセスもユニークで、社員がメンバー同士で目的・志を共有しながら進めるために、必ずチームで企業理念実践の取り組みを宣言し、1年間かけて実行したうえで、全社でそのテーマを共有するという流れです。そして、もっとも企業理念を体現したプロジェクトが高く評価され、表彰されるのです。このプロセスにおけるこだわりは、「その取り組みは何のために行うのか?」、「それは社会的課題とどうつながっているのか?」を自らの言葉で語ることです。こうして実践されたテーマと、それによる価値創造が、全社で共有され、広まっていきます。

各自がエントリーしたテーマは、部門選考を経てリージョン大会へと進みますが、ここでの選出基準は、目に見える成果よりも、どれだけチャレンジしているか、どれだけ社会的課題の解決に繋がっているかです。そして、リージョン大会で「ゴールド賞」に選ばれたテーマが、グローバル大会(*2)へと進出し、世界中の全社員と理念の実践を共有します。このようにして共有された他のチームの取り組みや経営陣からの称賛の声が、チームや職場での話題となり、仲間と共に語り合うことによって、共感、共鳴の輪が世界中に広がっていくのです。

*1:TOGAでは複数テーマへのエントリーが可能で、参加人数は総数です。
*2:グローバル大会では選考は行われず、プレゼンテーションのみで構成されます。

独自性と社会的意義に富むTOGAの参加テーマ

第8回TOGAでは、グローバルから選出された特別賞を含む16テーマが共有されています。

オムロンヘルスケア中国(OHC)からは、慢性病患者の最適な医療インフラ構築に向けた「MMC(Metabolic Management Center)ヘルスコンビニ」の取り組みについて発表されました。慢性病患者が急増する中国では、診療科ごとに独自システムで患者情報が扱われているため、適切な治療を適切なタイミングで受けることが出来ないケースが多々ありました。

その解決に向け、患者情報を各診療科間で共有し、専門医療スタッフによる最適な治療をワンストップで実現するMMCを設立。そして今回、第6回TOGAで発表されたこのMMCへの共鳴の輪はさらに広がりを見せ、アクセスしやすく、家庭と医療をシームレスにつなぐ「MMCヘルスコンビニ」オープンというOHCの新たなチャレンジが共有されました。MMCヘルスコンビニでは、従来は病院でしか出来なかった最先端診療を町の薬局で手軽に受けることができます。町の薬局がハブとなり、患者と病院をリンクさせる役割を担うことで、患者の利便性向上、最先端医療の診療機会の新たな創出につなげています。

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また、世界で初めて米国の医療機器認証を受けたウェアラブル血圧計の誕生秘話についても、そのチャレンジが共有されました。家庭用の血圧計は、高血圧による脳・心血管疾患の発症を未然に防ぐうえでの大きな前進でしたが、オムロンが目指すゼロイベント(*3)の実現には、日中の血圧変動を捉えるウェアラブルな血圧計が求められます。オムロン ヘルスケアでは、血圧測定に不可欠なカフ(血圧計の膨らむ部分の空気袋)に着目し、画期的なトリプルカフ構造を持つ腕時計型のウェアラブル血圧計を開発。米国・日本・欧州で医療認証を受けて発売され、ゼロイベントの実現に貢献しています。

TOGAに参加するすべてのテーマには、オムロンの軸である企業理念の実践にチャレンジする社員の想いが込められ、それに真摯に取り組んだ成果が、多くの社会貢献につながっているのです。

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*3:高血圧が原因の脳・心血管疾患の発症ゼロを目指すイニシアチブ

これからも続く企業理念実践のチャレンジ

オムロンの代表取締役社長 CEOである山田 義仁は、TOGAへの思いを次のように語っています。

「オムロンには企業理念を実践した素晴らしい物語がいたるところにあります。私がTOGAを始めたのは、企業理念実践の物語の一つ一つを掘り起こし、共有することで、共鳴の輪を大きく広げたいと思ったからです。なぜならば、企業理念への深い理解と共鳴こそが、オムロン社員一人ひとりの情熱と潜在能力を引き出し、その可能性を解き放つからです。そして、その結果として、事業を通じて社会的課題を解決し、企業価値を向上させる。これこそがオムロンの企業理念経営です。これからも皆さんと一緒に、企業理念の実践に取り組んでいきたいと思います。」

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この言葉の通り、オムロンではTOGAを通じて、日々の仕事や職場における企業理念実践の取り組みを全社員で共有し、称え合うことで、企業理念実践への共感、共鳴の輪を拡大しています。全社員が積極的に参画するTOGAは、これからも次世代のイノベーションを生み出し、世の中に価値を提供していきます。オムロンはこれからも、企業理念の実践を通して社会的課題の解決にチャレンジし続けていきます。

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