"FROM THE FACTORY OF THE WORLD" ~上海~

人と機械が協調する最先端のモデル工場

⼈と機械が協調する未来のものづくり現場を目指す、オムロンの制御機器事業。生産性革新や品質革新を自社工場においても取り組んでいます。そんな各国のオムロン工場を順次ご紹介していく"FROM THE FACTORY OF THE WORLD"。

第一弾は、オムロンで最大規模を誇る"上海工場"。
1994年に中国・上海へ展開し、現在では制御機器事業におけるものづくりの中核を担う存在にまで成長した上海工場はこれからどこへ向かっていくのだろうか。オムロン上海の企画室室長を務める水野伸二に話を聞いた。

"市場としての中国" R&Dを兼ね備えた製造拠点

オムロンが上海での生産を開始したのは、今から20年以上も前の1994年のこと。当時は日本企業そのものが少なかったので、かなり早いタイミングでの中国展開であったといえるだろう。そのころはPLC、センサー、タイマーという3つの製品を3つの工場で製造していたが、2005年に"国際競争力のあるモノづくり"を実現させるためにそれら3つを統合、2018年には同じ敷地内に第2工場を設立するなど、順次その規模を拡大してきた。オムロンには草津、綾部、オランダに工場がある中、もっとも規模が大きいのがこの上海工場で、制御機器事業のほとんどの製品カテゴリーの製造を行っている。

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オムロン上海工場 企画室室長 水野伸二

「上海工場は、大量生産を目的につくった単なる製造拠点ではありません。2005年に工場を統合した当時から人件費の向上は言われはじめていましたし、当初の予想通り毎年数%ずつ人件費が上がり続けているので、製造拠点だけの目的なら上海である必要はないのです。」

では、なぜ中国国内の他エリアではなく、人件費のメリットが少ない上海で工場を稼働させるのか。

「それは、"市場としての中国"を意識しているから。」
と水野は話す。

「現在、上海工場で生産したものは中国本土とグローバル、半々の割合で出荷していますが、今後さらに中国での需要が伸びていくと予想しています。上海工場にR&D機能をもたせ、さらに目の前で実際のモデル機械を見ながら顧客の課題解決をサポートできるオートメーションセンターを併設しているのも、中国市場の顧客との更なる共創に繋げていくためです。」

また、
「上海工場の強みは、横展開力と実用化力の強さである。」
と水野は続ける。

「たとえば日本の草津や綾部工場だと10本の生産ラインしかできないところ、上海であればその10倍、100本のラインをつくることができる。そこに上海工場が培ってきた技術とノウハウがあるのです。」

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オートメーションセンターでは代表的なメカ機構を備えたモデル機械を常設。実際に動く装置を見ながら、
制御技術の説明・技術交流会も行えるため、より具体的にお客様の持っている課題に対しての提案・サポートが行える

"i-Automation!"に基づいた人と機械が協調するものづくり現場

オムロン上海工場では設立当時から様々な取り組みを行っている。そして、その自社商品やソフトを使ったものづくり革新の取り組みの多くは草津・綾部・オランダの工場でも相互に展開されており、この横展開の速さがオムロンの強みにもなっている。

AIV
188_03_350.jpg8台のAIV(自動搬送モバイルロボットLDシリーズ)を導入し、コントローラーやコンポ商品を生産しているフロア全体の完成品の搬送を自動化。各工場で培った運用ノウハウを共有することで、さらに運搬効率を高め、製品搬送作業の無人化を実現。

スカラロボットと多関節ロボット
188_04_350.jpgOMRON Adept Technologiesのスカラロボットを用い、マテハン(マテリアルハンドリング)の自動化による材料の移載を行っている。また、多関節ロボットは、製品ごとで待ち時間や作業内容が変わったりするような、人間がやるとミスしやすい箇所に使用し、人と機械を協調させている。

SMT生産ライン
188_05_350.jpg電子部品を基板に実装する「SMT生産ライン」に、生産性向上ソフト「Q-upAuto」を組み込み、製品すべての製造工程のデータを抽出・活用。印刷、検査、傾向を管理して不良品率10憶分の1という高い目標を狙っている。

このような工場での取り組みは、オムロンが掲げる"i-Automation!"に基づいたアプリケーションである。オムロンでは、生産現場における"制御進化"(integrated)、"知能化"(intelligent)、"⼈と機械の新たな協調"(interactive)のオートメーションでモノづくり革新に取り組んでいる。

"i-Automation!"の詳細はこちら
※"i-Automation!"はオムロンが提供する価値の方向性を示したコンセプトワードです。

世界中の人々から求められる"Made in China"実現へ向けて

一方で、中国特有の難しさもある、と水野は語る。
「それは先ほど申し上げた人件費高騰に加え、需要変動の大きさにあります。例えば中国国内における自動車の売り上げは世界一ですが、実は昨年より台数そのものは特に9月以降大幅に下がっており、政治や経済での動きが製造業に大きな影響を与えます。また、ここ10年でどんどん社会が豊かになり、働く人の価値観も目まぐるしく変化しています。」

上海工場の目指す姿。
それは、柔軟性と生産性を兼ね備えた工場を実現させるということ。
そしてMade in Chinaで世界中の人々を豊かにすること。

「これまで中国は世界の工場として大量生産を担う存在でした。分かりやすく言えば、先進国の人々が豊かな暮らしをするために、賃金の安い人々を雇って、ものづくりを行ってきたということです。しかし、これからの中国のものづくりは、中国社会や人々にとっても高い付加価値のあるものでなければいけません。世界中から『Made in Chinaが欲しい』といっていただくためにもi-Automation!を実践して、中国はもちろん世界中の人々の豊かさに貢献していかなければならないと考えています。」

オムロン上海工場はこれからも成長し続けていく。

人の知見を機械に組み込む「Sensing & Control + Think」技術。

この技術の最新動向をお届けします。

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