本質を見失う、克服すべき7つのクセとは? ~一人ひとりが活躍し、イノベーションを起こす強い組織づくりのヒント~

イノベーションを起こす強い組織をつくるヒントを学ぶため、リーダーシップ&ビジネスコミュニケーションの分野で幅広く活躍されているStrategic Communication Research Institute株式会社 代表取締役社長の芳賀 日登美氏を講師に迎えて理解を深めました。

「本質」に迫ることのできる体質をつくる

それには、それぞれが働くことの本質的な目的を意識し、その中で、自分が担う役割や業務の「本質」を見極めて業務に当たる体質づくりが最短ルート。
芳賀氏は、それには克服しなければならないビジネスパーソンにありがちな7つのクセがあると言います。

一時しのぎの対処療法で満足し、原因を良く考え、根本的な解説策を見出すことをしなかったり、作業をしているうちに作業自体が目的になり、本来の目的を見失ってしまったり、なぜやるのか?何のためにやるのか?本質に迫れないまま時間を費やして満足してしまうビジネスパーソンも多い。

代表的な7つのクセ、自分にも当てはまると感じた人も多いのではないでしょうか?

「本質」に迫ることのできる体質をつくる

「本質を考える」にブレーキをかける 克服しなければならない「7つのクセ」

「やった気」になる症候群

作業の行程ばかりに集中して、問題の本質を考えることをしない

もぐらたたき症候群

一時しのぎの対処療法で満足し、原因を良く考え、根本的な解決策を見出すことをしない

分析ツール頼み症候群

何でも分析ツールに頼りすぎて、結論をゆだねる

絵に描いた餅症候群

響きの良い「キャッチフレーズ」で満足し、具体策がないまま考えが止まる

無難で安心症候群

何にでも当てはまる無難な解決策で満足してしまい、個別の問題に対して適切な解決策を見出そうとしない

コチコチ症候群

初めに決めた方針から離れられず、状況に合わせた解決策を導く柔軟性がない

目的置き去り症候群

作業をしているうちに、作業自体が目的になって、本来の目的を見失う

※ローランド・ベルガー取締役パートナー平井孝志氏の理論をもとにSCRI作成
©2016 SCRL. All Rights Reserved.
資料提供:Strategic Communication
Research Institute株式会社
※無断転載禁止

組織でコミュニケーションスキルを上げていく

一人ひとりが自分の持つクセを認識し、克服して、パフォーマンスをあげるのはもちろんのこと、組織で互いに連携してパフォーマンスを倍々にするにはコミュニケーションを円滑にするスキルが欠かせないと芳賀氏。

五感の特徴を巧みに利用して、話し言葉(電話)や書き言葉(メール)、また声のトーンや話し方などの情緒面のプラス効果を活かして、相手に伝えることの重要性を説明。
講演会場でマイクを通して語るのと、マイクを外した普段の声とでは、声のトーンを意識的に変えていることを実際に示しながら、相手にとって聞きやすいトーンで話すことで、相手に伝わる自分の印象を上手くコントロールすることが可能になると語りました。

次のステップとして、チームでゴールに向けたプロセスを最短ルートで合わせるコミュニケーションの取り方について体験。
説明者が口頭のみで指示する図形を、受け手が一切の質問ができない環境の中で推測し、紙に描くというゲーム感覚のテストです。
説明者は、受け手が何を書いているかが見えてはいるものの、手を出すことはできません。
チームメンバーが揃って正しく説明者からの情報を理解できたチームは、相手の理解を得るためには、まずは全体像を伝え、それから細部にわたる説明をし、相手のペースを確認しながら伝えたことが良い結果を生んだと感想を述べました。

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的確なリーダーシップで組織を活性化させる

最後に、同じゴールに向かうチームを上手くリードし生かすには、リーダーが担う役割が重要と締めくくりました。
リーダーは、活躍のステージが変われば新たなリーダーシップを学ばなくてはならず、これまでのやり方を継続して頑張るのではなく、常に新しく難易度の高い課題に取組みながらも変化を受け入れ、包括的で総合的な思考法を身に付けなければいけないと芳賀氏。

そして、リーダーが、「できないかも」と思う人を一人でも組織の中から減らし、個人の持つ能力を最大限に引き出すには、モチベーションに影響を与える次の4つの言葉が有効であると言います。

1、自分が信頼していることは当然だと思わず、言葉に出して信頼を伝える

2、成果を上げたり、成長を感じた時に、本人が実感できるよう言葉をかける

3、組織において、どのくらい価値がある仕事か、貢献度を伝える

4、期待していることを、相手に伝える努力を惜しまない

参加者に常に語りかける笑いを交えたセミナーは、あっという間に終了。
「これまで一課員の自分にできることは、小さいと思っていたけれど、一人ひとりのモチベーションやネガティブな発言をしないことがチーム力UPに繋がると知り、今日から行動に移したいと思う」「自分のクセを見直す良い機会になった」「自分の説明不足を実際に思い知らされ、人に伝えることの難しさをあらためて感じた」など、気付きの多いセミナーとなりました。

一人ひとりが自分のクセに気付くことが、全員でイノベーションを起こす強い組織づくりに繋がることを学んだ今回のセミナー。

オムロンでは、これからも働き方を革新するセミナーを継続して開催し、一人ひとりがイキイキと活躍し、チーム全員でイノベーションを起こす強い組織づくりを目指します。